学習成果のあがる“勉強の型”を見つけましょう!

 夏休みが終わり、学校が再開して10日余り経ちましたが、現実にはまだ夏の余韻が強く残り、蒸し暑い毎日が続いています。ですが、あとしばらく辛抱すれば秋らしい心地よい天候の日々が訪れます。秋は、勉強やスポーツに限らず何をしても成果のあがる好季節です。本格的な秋の訪れが待ち遠しいですね。

 今回は、「成果のあがる“勉強の型”を築くための提案をしてみようと思います。お子さんは、学習計画に基づいて毎日の勉強に取り組んでおられると思います。その計画通りに勉強し、成果をあげておられるなら、今回の記事は必要ないかもしれません。ただし、「なかなか思い通りに勉強がはかどっていない」「勉強しても成果につながっていない」と思っておられたら、その原因をよく考えてみる必要があります。今回の記事も多少はお役に立つかもしれません。

 みなさんは、「最も勉強がはかどる条件は?」と聞かれたら、どんなことが思い浮かびますか? 静かな落ち着いた雰囲気である、机の上が整理整頓されている、暑くも寒くもない気温など、いろいろあると思います。次にあげる条件はどうでしょうか。なかには、少し意外に思われるものもあるかもしれません。

勉強の効果が期待できる条件

 勉強は少し空腹なときのほうがはかどります。空腹を感じると脳が危険を察知し、感覚が鋭敏になるからです。逆に満腹時は、胃に血液が回っているので脳の働きが緩慢になり、勉強の効率は悪くなります。みなさんも心当たりがおありでしょう。学校の給食を終えた後の最初の授業は辛かったのではありませんか? 眠気が襲ってくる、頭がぼんやりする、先生の話が全然耳に入らなくなる、といった具合で、勉強に身が入りません。勉強の効率が高まるのは、お腹が空き始めた夕食前や朝食前です。この時間帯を生かしましょう!

 脳の栄養源はブドウ糖で、これ以外は脳の栄養になりません。ブドウ糖は食事で摂取した糖類が分解されたもので、肝臓を経て脳に供給されます。1回の食事で12時間分しかつくれないため、朝食を抜くと脳のエネルギーが不足したころに学校の授業が始まります。これでは授業の効果はあがりません。朝食は必ずとりましょう。なお、糖類をとれるなら何でもよいと考えず、きちんとした食事を通して糖類を摂取しましょう。簡単な代用品に頼ると脳の満腹中枢が機能不全に陥り、過食症や拒食症などの摂食障害を招きかねません。

 勉強に最もふさわしいのは朝食前です。夕食から時間が経って空腹になっているし、目覚めた後は前日の勉強で得た記憶が整理整頓され、脳がスッキリしているからです。「朝飯前」という言葉は、「目覚めから朝食までの少しの時間でもできること」という意味です。ですが、脳の状態に即していえば、朝ごはんの前こそが最も勉強に適しているのです。「朝飯前」のことでなくても、取り組んで成果をあげられるゴールデンタイムなのです。なお、夜遅くに食事をしたり睡眠が不足したりしたときの翌朝は例外で、学習効果は下がります。

 誰でも不快なことがあると脳の働きは低下します。逆に、楽しいことがあったときは、やる気も集中力も高まります。親の影響力が強い小学生の場合、親子関係はとくに勉強の取り組みに影響します。親と喧嘩したり、厳しく叱られたりした後は勉強になりません。上述のように、夕食直後は勉強に向かないので、親子団らんの時間を設けてはいかがでしょうか。子どもは親との楽しい会話を通じて親の期待を感じ取ります。そうして、一呼吸置いたところで勉強に向かえば、学習成果も大いに高まることでしょう。

 
 なお、③において睡眠にふれましたが、睡眠は勉強の成果にずいぶん影響します。少し古い資料ですが、睡眠と学業成績との関係について参考になるので、ご紹介してみようと思います。

 これを見ると、睡眠時間は少なすぎても多すぎてもよくないことがわかります。児童期の睡眠時間は、大人よりも長いことが望ましいのですが、それでも10時間を超えると脳のパフォーマンスは落ちるようです。勉学にとって最も望ましいのは、7~10時間ぐらいの睡眠時間だとわかります。

 以上を踏まえ、各家庭の生活サイクルに合わせ、お子さんが最も成果をあげられる“勉強の型”を考えてみましょう。頭の冴える起床から朝食までの時間帯を生かしたいですね。残念なことに、夜型の生活は子どもにも浸透しており、朝の目覚めの悪い子どもが増えています。思い切って夜型の生活を改め、朝型に切り替えてみてはいかがでしょうか。お子さんと相談してみてください。

 また、時間を有効に使うには、行動の切り替えが上手にできるようになることが肝要です。家庭内でお子さんが目に見える場所にいる場合、勉強時間になったからといってせかしたり、叱ったりするのは禁物です。イライラする気持ちをこらえ、「あら、もう勉強の時間が来たね。がんばって!」などと明るく背中を押してやりたいですね。子どもは自分を否定される言いかたを嫌いますが、こういう声かけなら反発することなく親の言葉に耳を傾け、勉強に取りかかるでしょう。

 人間に与えられている時間は誰にも平等です。ただし、その使いかたは個々でかなり違っています。生かしかたを工夫すれば実質の時間は大きく変わります。お子さんが限りある時間を有効に使える人間に成長できるよう、愛情深く応援してあげてください。