夏休みの学習成果と反省点を検証しておきましょう

 みなさんのお子さんは、今年の夏休みをどう過ごされましたか。学習の成果はあがったでしょうか。

 長い休暇を計画的かつ規則的に過ごせば生活にリズムが生まれます。勉強を億劫がらず、決めた時間になったら自然と机に向かって予定のメニューをこなせるようになります。勉強がはかどれば気分もいいですし、何をするにつけても楽しいものです。つまり、夏休みはよい生活習慣、よい学習習慣を身につける絶好機なのです。夏休み明けの塾での授業の際、逞しさが増したよい表情の男の子、「あれっ、ちょっぴり大人っぽくなったかな?」と思わせる女の子がいますが、そういう印象を受けるのは夏休みを成長の場にしてきた子どもたちです。

 いっぽう、ボーッとして視線が定まっていない子どもがいます。いかにも嫌々塾にやってきたという印象の子どももいます。こういう子どもは、生活習慣が乱れたり、勉強をおざなりにして遊び癖がついたりしたのでしょう。夏休みを成長の場にすることができず、むしろそれまで築いてきたものを台無しにしている可能性があります。

 今、夏休みを上手に乗り越えた子どもと、それがうまくできなかった子どもについてお伝えしました。しかし、実際のところ物事は成功か失敗かの二分法では語れません。ある面では成果をあげているいっぽう、ある面ではうまくやれなかったということが多いものです。つまり評価すべき点と反省すべき点の両方あるのが現実でしょう。そこで通常の生活が復活する今、親子で夏休み中の生活と学習について振り返りの場を設けることをお勧めします。親の目には見えていなかった成果もあるでしょう。逆に、ちゃんとやっていると思っていたことがそうでもなかったということもあるでしょう。それらを検証しておくことは、これからのさらなる成長をめざすうえで役立つのは間違いありません。

 ところで、おたくのお子さんは夏休みの課題や宿題を無事やり終えられたでしょうか。上の例では、学校の夏休み課題をためてしまったために、夏休みの終盤に大あわてをすることになったという反省点をあげましたが、これはよくあることで、同様の話をよく耳にします。

 そこで今度は子どもの夏休みの宿題や自由課題の終わらせかたのパターンを幾通りかに分けて紹介してみましょう。おたくのお子さんはどのタイプに近いでしょうか。

子どもの夏休み課題や宿題への取り組みパターン <5例>
①先にさっさとやり終える(7月中にすべての宿題を終わらせる)
②一定のペースで少しずつ片づける
 (夏休みの日数をにらみ、ムラなく計画的に終わらせる)
③期限が迫ってから急いでやる(夏休み終盤に大慌てで取り組む)
④あきらめる(計画性も実行力も足りず、予定を消化できない)
⑤その他(親に全部依存してしまう、好きなものだけやるなど)

 親の多くは②のように計画的に着実にやってほしいと思うでしょう。計画的に取り組めば先の見通しが立つし、慌てたり余計な苦労をしたりしなくて済みます。学習塾でよい成績をあげている子どものなかには、結構①のようなタイプの子どもが見受けられます。「面倒にならないうちに済ませておこう」というわけです。頭のよいやりかたと言えるでしょう。

 しかしながら、とかく夏休みの前半はやろうという気持ちはあっても、「まだ夏休みは始まったばかり」という気持ちに流され、他の楽しいことが優先されがちです。結局は③のような状況に至るお子さんが少なくありません。それも、自分で何とかしようとたまった課題を必死で片づけるならまだしも、親の叱咤激励やサポートを得て、やっとの思いで格好をつけるケースが多いのではないでしょうか。なかには、「そんな無気力なことでどうするの?」と心配になる、④のようなタイプもわずかながらいます。見ていられなくなった親の心配や焦りが目に浮かぶようです。

 ところで、みなさんの小学生時代を思い出してみてください。どのタイプに近い子どもだったでしょうか。実際のところ、子ども時代に見られた特徴は大人になっても変わらないという指摘をよく耳にします。つまり、③のようなタイプだった人(おそらく、全体の半分以上はこのタイプだと思われます)は、大人になってからも同じような特徴をもっていることが多いのです。もしもご自身が③のタイプに近かったと思われたなら、今のうちにわが子を①や②のようなタイプに近づけるようサポートしてあげたいですね。それがわが子の先々の人生の歩みを大きく変えることになります。

 そのための方法は、また機会があったらお伝えしようと思います。とりあえず胸に留めていただきたいのは、叱ったり指示したりするなど、子どもを無理やりコントロールしようとしないことです。この方法は間違いなく失敗します。子どもの自立性を損なうし、親への反感を抱かせかねません。そこで今回のテーマの話に戻ります。親子でこの夏休みの生活と学習の振り返りをしましょう。反省すべき点だけでなく成長した点も十分に検証し、よかった点をほめることも忘れずに。それがあってこそ、子どもは親の助言に耳を傾けるようになります。そこから、子どもの望ましい成長の流れを少しずつ築いていきましょう。

 親に必要なのは、「この年齢のこの時期は人生で一度きりなのだ」という意識です。「今気づいたわが子の問題点は、今のうちに解消しておこう」という気持ちをもって接すれば、その親の思いはわが子に必ず伝わります。すぐにはうまくいかなくても、「親の思いは必ず届く」という信念をもち、焦らず寛容の気持ちをもってわが子に接してやりましょう。お子さんの秋からのすばらしい成長を念じています。