学習の計画性と実行力を高めるためのサポート
何においてもそうですが、スタートでつまずくと後々まで尾を引きがちです。学習塾の新年度講座が始まって日の浅い今のうちに勉強をいち早く軌道に乗せておきたいですね。前回は、学習の習慣づけの重要性についてお伝えしましたが、学習習慣を確立するうえで欠かせないのが「計画を立て、着実に実行に移していく」ことです。今回はそのためのアドバイスをお伝えしようと思います。
現在、お子さんは毎日の学習計画を立てておられますか? 立てずに勉強して、いつも好成績をあげるお子さんもなかにはいます。ですが、中学受験をめざした勉強が本格化する高学年になると、無計画な勉強をしていた子どもの多くは行き詰まります。勉強が高度になるにつれて継続的な積み重ねが問われるようになりますし、学習塾で学んだことのおさらいをしていたかどうかが成績に如実に表れ始めるからです。計画に沿って勉強する習慣を身につけるとともに、学習塾の指導に基づいた筋のよい勉強法を1日でも早く体得しましょう。
たとえば、算数では「図に描いて考えよう」と学習塾は指導していますが、4年生ぐらいまでの段階では図に描かなくても正解を導ける子どもがかなりいます。しかし、5年生のある段階からこのような子どもは失速していきます。頭のなかで考えを巡らすだけでは解へたどり着けなくなるのです。塾で指導を受けたら、家で決めた時間に必ず復習してセオリーを確かめる。そのことを今から徹底しておきたいものです。それがやがてお子さんの貴重な財産となるのですから。以下、計画に沿って勉強する姿勢を定着させるためのアドバイスをいくつか示しておきましょう。
1.計画に沿った学習を継続するためのキーパーソンはおかあさんです。
学習計画は、親がつくって一方的にあてがうよりも、子どもに「自分が立てた計画だ」という気持ちをもたせたほうがやる気になるし実行力も伴います。
しかし、現実には子どもだけで妥当な計画を立てるのは無理でしょう。親が関わり、「これって、いつやったらいいと思う?」など、相談し問いかける形式で計画を立てるのが望ましいと思います。
そして、「一生懸命考えてよい計画を立てたね。ちゃんと実行に移せそうだね。きっと勉強がもっとできるようになると思うよ」などと大いに励ましてやりましょう。
上の表は、3つの異なる条件において子どもがどれぐらい課題に取り組んだかを調べた外国の実験結果を示した資料です。具体的には、課題を子ども自身に選ばせた場合と、実験者が指定した場合と、「おかあさんがこの課題に取り組むのを望んでいる」と伝えた場合とで、取り組みにどれぐらいの違いが生じたかを示しています。自立志向の強いヨーロッパ系の子どもは自分で課題を選んだほうが長く取り組んだのに対し、アジア系の子どもはおかあさんの意向が取り組み時間に大きな影響を及ぼすことがわかりました。日本の子どもは、なにごとにもおかあさんの影響が強いことを忘れないでください。
2.おかあさんの熱心度が、子どもの取り組みに大きな影響を及ぼす!
1の資料でもわかるように、日本の子ども(特に小3、小4ごろまで)は、何につけおかあさんの関わりが大きな影響を及ぼします。おかあさんは子どもの勉強に関心を強く示し、がんばる様子を見届けたら大いにほめてやりたいものです。特に自発的に取り組んだり、最後までやり通そうとがんばったりしたときには大げさなくらいほめてやりましょう。
たとえば、玉井式国語的算数教室のプリント、塾の学習で使用するノートなどに、おかあさんの情熱あふれる激励のコメント、賞賛のコメントがたくさん見られる家庭の子どもは総じて塾での授業姿勢も前向きで元気があります。もちろん、成績も良好です。新年度の学習が始まって間もない今のうちに、熱心なサポートでいち早く子どもの勉強を軌道に乗せてやりましょう。
忘れてならないのは、子どもに自信をもたせ、自分でやろうという意欲を引き出すことです。そのために気をつけたいのは、成績で子どもを評価しないということです。成績がよいときだけほめるのではなく、成績がよかろうと悪かろうと、前向きなよい取り組みをしていたらそのことをまず指摘し、ほめてやりたいものです。そうすれば、子どもはテスト結果以上にやるべきことをしたかどうかを振り返り、常に努力を惜しまない姿勢を築くことができます。
3.勉強の振り返りは子どもにさせ、親はフォローに留める。
塾での成績が乱高下したり、下降線をたどったりしたときは、どのご家庭でもお子さんに声をおかけになるでしょう。しかし、できれば定期的に親子で話し合いの場をもつなどして、学習状況の点検や修正を図りたいものです。というのも、子どもは自分のしたことを振り返り、一人で修正を図れるまでには至っていません。特に男の子は判断が未熟で、楽天的な考えに流されがちです。

重要なのは、子ども自身に何がよかったのか、悪かったのかを考えさせることです。どんな結果にも、必ずそうなった原因・理由があります。それを子ども自身が考え、自ら気づいてこそ真にレベルアップを果たせるのですから。上の図のように、親は問いかける役目に徹したいですね。それはとてもまどろっこしく忍耐のいることですが、子どもが高学年になってから親がずいぶん楽になることで報われます。子ども自身の学力向上にもつながるのは間違いありません。
先ほど、子どもの学びは親の熱心度で決まるといった趣旨のことをお伝えしましたが、親が余計なおせっかいをすることとは別次元のことです。わが子が少しずつ着実に成長していけるよう、絶えず気配りをし、子どもに自信とやる気を吹き込むべく応援してやりましょう。あと数年もすれば子どもも独り立ちをしなければなりません。その準備は、過保護や過干渉を抑え、いかにして子どもの自立的取り組みを引き出すかではないでしょうか。おかあさん、今が大切なときです。がんばりましょう!

