わが子を自信とプライドに満ちた子どもに育てよう!
国際社会の進展とともに、外国との交流がますます活発になりつつあります。企業もグローバル化を加速させ、日本の企業に就職しても頻繁に外国に赴いたり、外国で生活したりする機会が増えています。外国の人たちと一緒に働いたり、丁々発止の交渉をしたりする人たちも少なくないことでしょう。おたくのお子さんも、グローバル社会で逞しく生き抜いていける人間に育つといいですね。
このような考えをお伝えすると、たちまち日本人のメンタリティで気になる点が頭をよぎります。それは、一体に日本人は自己評価が低く、自分に対する自信が足りないことです。これは、外国の人たちとの交流や折衝においてプラスにならないことが予想されます。謙遜して控えていることは、多くの国で少しも美徳とされないからです。それどころか、自己卑下をするタイプの人間は他者に認めてもらえず、存在感をアピールすることもままなりません。
次の資料をご覧ください。これは日本、アメリカ、中国、韓国の高校2年生が自分自身をどう思っているかについての調査結果です。なお、日本の高校生の回答でわざと空欄にしている箇所が4つあります。あなた自身で数値を予想してみてください。
では、空欄に当てはまる数字をお伝えしましょう。1は43.7%、3は44.4%、7は27.0%、9は22.3%です。あなたの予想と比べて数値は高かったでしょうか?それとも低かったでしょうか? 日本の高校生は自分の人柄について肯定的に受け止めている割合が4か国中で唯一5割を切っています。努力すれば大抵のことができると考えている子どもの割合も半分以下です。「悲しいとき辛いときに落ち込まない」と答えている子どもはなんと3割もいません。「失敗しても落ち込まない」という子どもに至っては、2割あまりしかいません。他の3か国の子どもと比べると、考えが随分ネガティブであることに驚かされます。
いずれにしても、6を除く全てにおいて日本の高校生の数値が一番低いことがわかりました。それも日本の子どもの数値が群を抜いて低い項目が多数あります。「これでいいの?」と思ってしまいますね。
日本人の特徴として、「自信満々」のタイプにカテゴライズされる人物が少ないことはよく知られています。謙譲の美徳という言葉があるように、日本人は慎み深いことを善とする傾向があります。ですから質問の1や2などの数値が低いことは予想されました。この点に鑑みると、数値は多少割り引いて受け止めてもよいかもしれません。ですが、他の国と比較してあまりに違っている点は看過すべきではありません。同じアジア人でも中国の高校生はアメリカの高校生と似通った傾向が感じられます。対人においてプライドや自信を前面に押し出す特性がよく出ていますね。その点、韓国の高校生は日本人に近い面も感じられます。みなさんはどう思われたでしょうか。
ここからが本題です。上記資料の項目を見てみると、そのほとんどは家庭教育のありかたしだいで変わってくる可能性があるように思います。すなわち、親がわが子への接しかたを変えれば状況も違ってくるでしょう。子どもの人となりは、だいたい児童期までに形成されると言います。子育ての仕上げ期は児童期の6年間ですから、この時期の親の接しかたが子どものものの考えかたに影響を及ぼすのは間違いありません。
まず保護者の方々が念頭に置くべきは、人間として生まれたからには誰にも一定の能力が備わっているということです。ただし、ほとんどの人は潜在的に有している能力の何分の一も発揮していません。それは、「やればできるんだ!」ということを実感する経験が足りないからではないでしょうか。その経験をわが子にさせてやりたいものです。お子さんが小学生までの年齢なら、いくらでも状況を変えることができるのですから。
たとえば、常日頃子どものやった結果に対して、「まだまだよ」「あなたはダメね」などとおかあさんが不満を口にするのを控え、「よくがんばったね。あと、〇〇はもう少しだったね。でも、あなたならすぐにやれるようになるよ!」と励まし続けたならどうでしょう。大概の子どもは奮起し、やがてはできなかったことも克服するのではないでしょうか。
一事が万事、子どものやることに対して肯定的な受け止めかたをし、希望を捨てずにチャレンジするよう働きかけたなら、子どもは自分に対して肯定的な評価をすることができます。あきらめずに挑戦し続ける姿勢を尊重し、子どもに前向きな姿勢やあきらめずに挑戦する勇気を吹き込んでやるのです。前よりも少し進歩したら大いにほめて喜んでやる。この繰り返しが子どもの人間形成に影響しないはずがありません。これは毎日生活を共にする親だからこそできる、親にしかできないことです。。
子育ては、日々の積み重ねです。絶え間なく伝えられる親からの愛情深い励ましは、やがては子どもの人間形成に大きな影響を及ぼすことでしょう。子どもに強い影響力をもてる、今だからやれることを実践していきましょう!