書籍「子どもの体験 学びと格差」をご紹介
——— 大学入試の変化や非認知能力ブームで、子供の体験までもが課金ゲーム化しており、
親たちは体験の詰め込み教育に駆り立てられ、
子どもたちは格差意識を刷り込まれる。
まるで「体験消費社会」だ ———。
今回ご紹介する おおたとしまさ氏の著書『子どもの体験 学びと格差』では、「体験格差」という言葉を手がかりに、大人たちを「体験の詰め込み教育」に駆り立てる風潮の正体に迫る一冊となっています。

体験をたくさんしたほうがいいと煽られた結果、お金のある子どもたちはたくさんの習い事をさせられ、かたやお金のない子どもたちは遊ぶ相手すらいない状態で地域に残される…。そんな、小学生たちの放課後の分断が、ある調査結果から浮かび上がってきたといいます。
100年以上の伝統があるキャンプから、プレーパーク、無料塾、駄菓子屋さんまで、体験を通した子どもたちの学びの現場をおおたとしまさ氏は訪ねました。現場からは、「体験格差」という概念そのものに対する疑念や困惑や批判の声が相次ぐ。
そして本書は最後に、体験消費社会に対して3つの警告を発します。また、著者である おおたとしまさ氏が発する3つの警告について、体験格差解消を掲げて活動する複数の団体からの回答もそのまま収録されています。
子育てや教育に関心のある保護者や教育関係者だけでなく、「学びのあり方」を考えるすべての人にとって、本書は新たな視点と気づきをもたらしてくれる一冊です。
