大阪に本社を持たれている(株)イングの青木辰二代表が
平成19年4月〜平成20年9月の間に産経新聞夕刊に連載
されましたコラムを毎週水曜日に1本ずつご紹介します!
是非、子育ての参考にしてみてください!


2016.01.06 整理!

 最近、書店で、そうじや整理整頓に関する本を見かけることがあります。内容は、そうじをすると物事がスムーズに流れ、気持ちもすっきりするというものです。

 これらは日頃、教室で指導をしているときにも感じます。ある生徒は、テキストを出そうとしますが、かばんの中が散らかっていて、なかなかお目当てのテキストが出てきません。また別の生徒は、筆箱にペンをつめこみすぎていて、赤ペンを取り出すのにひと苦労しています。

 成績アップのためには、意外に整理が大切なのです。

 整理が必要なのは、かばんや筆箱だけではありません。頭の中を整理することもとても大切です。

 中学生ぐらいになると、成績の良い生徒は先生の話を聞いて要点をメモしたり、重要なところに赤線を引いたりすることができます。

 「わかる」という言葉は「分ける」という言葉と元は同じです。つまり、整理して分ける能力は、理解する能力と大きく結びついているのです。

 また、スピーチなどで、話し手が話す内容を十分整理して把握していないと、聞いているほうもよくわかりません。自分の頭の中を整理することは、コミュニケーション能力の向上にも欠かせません。

 このように大切な「整理」。まず私たち大人が気をつけて、そして子供たちにも整理・整頓する習慣をつけさせたいものです。

<2008年1月18日 産経新聞 夕刊>

 

2016.01.13 興味と夢!

 公立高校の改革が進んでいます。たとえば大阪府では平成13年度から19年度の間に、総合学科高校が7校、普通科総合選択制高校が14校開校されています。

 その設置理念は「普通科目と専門科目の両方にわたって、多くの選択科目を設定し、生徒自ら科目選択していく中で、自分の適性や進路を見つめていく力をはぐくむ学校として『総合学科』を設置する」「普通科の中で選択科目を多く設定し、基礎学力を重視しながら生徒一人ひとりの興味・関心にあった学習を通じて、進路実現の力をはぐくむ学校として『普通科総合選択制』を設置する」となっています。

 これは「なんとなく高校に行って、なんとなく大学に行って、それから仕事を考えよう」という周りに流された考えではなく、自分の興味と夢に基づき積極的に進路を選ばせたい、という狙いです。ただし、中学校の段階で自分の適性や将来の夢について本人がしっかり考え、また家族とも話をしておかないと、「単に苦手科目を避けるためだけの選択」となりかねません。

 ノーベル医学・生理学賞を受賞したカペッキ教授が、日本の子供たちに贈る言葉を産経新聞に寄せています。

 「すべての子供に共通する最も重要なことなどなく、一人ひとりが自分自身の特別な興味と夢を見つけなければならない」

 子供に興味と夢を持たせ、将来についてしっかり考えさせる。これは、われわれ大人(親)の大切な役目になってきています。

<2008年1月25日 産経新聞 夕刊>

 

2016.01.20 読解力!表現力!

 2006年の「OECD生徒の学力到達度調査」(PISA)の結果が公表されました。「読解力」における日本の国際順位は2000年の8位から、03年14位、06年が15位と低下の一途をたどっています。

 読解力の低下について危機感を抱く人が増え、「本離れ」や「学習時間の不足」を原因にあげる声もよく聞かれます。ところが、このPISAの実際の問題についてはあまり知られていません。「読解力」という言葉が漠然ととらえられているのです。

 公開された読解力の問題の一部は、落書きについての賛否両論の手紙を紹介し、「あなたは、この2通の手紙のどちらに賛成しますか。片方あるいは両方の手紙の内容にふれながら、自分なりの言葉を使ってあなたの答えを説明してください」というものです。

 これ以外でもグラフや資料から読み取って答える問題があり、学校の国語のテストとはずいぶん違っています。こういう問題に正解するには、単純な読書の力だけでなく、幅広い読み取りの力と「自分の意見を、自分で考えた表現で記述する」力が求められます。実社会でも役立つ力が求められているのです。

 しかし、子供たちが自分の意見を誰もがわかる言葉で述べる機会は少なく、仲間うちにだけ通じる言葉で感覚的にコミュニケーションをとることが多くなっているように思います。

 誰もがわかる言葉でしっかり自分の意見を言わせる。これも表現力を育てる、家庭での大切な教育のひとつだと思います。

<2008年2月29日 産経新聞 夕刊>

 

2016.01.27 入試 チャレンジ!

 もうすぐ、大阪府下の私立高校で入学試験が実施されます。前日は緊張ですぐに寝つけない受験生も多いかもしれません。

 子供にとって入試は、自分が選んだ学校の合格に向けて、長い間努力を続けてきた成果を試す、人生の大きな節目の時です。

 「先生! やった! 合格した!」。満面の笑みで得意そうにガッツポーズを見せる生徒。自分の努力が報われ、その大切さを身をもって学んだ瞬間です。

 一方、残念な結果に終わる場合もあります。「先生、あかんかったわ。でも、精いっぱい努力したから、悔しいけどなんかさっぱりしてんねん。大学入試で見返したるわ」。目に涙をいっぱいためながら、そう報告に来てくれた生徒を私は忘れません。しかし、これも長い目で見れば大切なことを学んだ瞬間といえます。

 このように、入試結果だけをすべてのようにとらえるのではなく、そこから子供が今後の人生のために何を学んだかという視点が非常に大切です。

 子供たちは人生で初めて大きな選択をし、迷い、悩みながらも自分で目標を決め、それに向かって努力します。そして、合否を自分自身の努力の結果として受け入れます。自分の選択と行動が人生を決めていく−。入試は、この当たり前で重要なことを学べる貴重な機会といえるのではないでしょうか。

 われわれ大人(親)は、高校のレベルがどうだとか、進学実績がどうだとかいうことで、高校受験をとらえがちですが、もう少し大きな目で子供を見守ることも大切だと思います。

<2008年2月8日 産経新聞 夕刊>

 




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