大阪に本社を持たれている(株)イングの青木辰二代表が
平成19年4月〜平成20年9月の間に産経新聞夕刊に連載
されましたコラムを毎週水曜日に1本ずつご紹介します!
是非、子育ての参考にしてみてください!


2015.12.02 大人へのメッセージ!@

 「今の大人にこうしてほしいということを自由にかいてください」。イングで小学4年生から中学3年生までの生徒に、こんなアンケートを実施しました。その回答は実にさまざまで、興味深いものでした。

 「こづかいを増やしてほしい(小4)」「宿題をへらしてほしい(小5)」「僕のお金を『お母さんが持っとくから、買いたいときに言い』とか言いながら忘れないでほしい(中1)」

 こうした子供らしい回答の一方、考えさせられる回答が多くありました。

 「人をおそわないでほしい(小4)」「もうちょっとルールを守ってほしい(小5)」「いじめのことを、もっと真剣に受け止めてほしい(中3)」「地球温暖化ストップ(中1)」 

 子供の視線は社会だけでなく、当然、身近な大人(親)にも向けられます。

 「もっと子供の意見を取り入れて、いっしょに考えたりしてほしい。勝手に決めつけないでほしい(小6)」「もう少し子供に夢を与えてほしい(小6)」「ちゃんと子供を見てください(中1)」「もっと尊敬できる大人になってほしい(中2)」「子供の話から目をそらさず、しっかり聞いてほしい(中3)」「子供をしかれる大人になってください(中3)」

 これらは、いまの子供たちが心に隠し持つ「大人へのメッセージ」です。面と向かって大人に伝えなくても、子供は大人を実によく見て、敏感に何かを感じています。われわれ大人は、自分の行動が常に子供に影響を与えていることを自覚し、日々の行動を見直したいものです。

<2007年12月07日 産経新聞 夕刊>

 



2015.12.09 持続力!

 数年前に比べて、子供の集中力と持続力が衰えている気がします。人の話をじっくりと聞けない。一つのことを最後までやり遂げることができない。そういう子供が増えているのではないでしょうか。

 ほとんどの目標は、今日努力して明日すぐに報われるというものではありません。努力を積み重ねることで、やっと成果が出ることも多いのです。だから、成果が出るまで続けることは非常に大切です。では、どうすれば子供の持続力をはぐくむことができるのでしょうか。

 イングの、ある教室に通う小学生のことです。漢字検定と数学検定に合格したくて、1日1ページずつ漢字と計算の練習を始めました。先生は毎週の授業で、1週間分7ページの練習を見て、「よくがんばったね」という言葉とともにハナマルを描いてあげたそうです。その子は1年間練習を続け、見事に2つの検定に合格しました。

 大きな目標を持つことは大切です。しかし、ともすると目標が大きすぎて、何から始めたらよいのかわからなくなってしまいます。身近な日々の目標を立て、一つひとつ成功体験を重ねていくことが、やがて大きな目標達成に結びつくのだと思います。

 私たち大人(親)は、できなかったことを責めるのではなく、日々その子ができたことを見逃さずほめたいものです。それによって、子供は「持続する」大切さを学んでいくのではないでしょうか。

<2007年12月28日 産経新聞 夕刊>

 

2015.12.16 ありがとう!

 先日、高校1年生の女の子が「先生、自習してもいいですか」と、教室にやってきました。もうすぐ定期テストなので、その勉強をしにきたのでしょう。数時間後、自習を終え、彼女は出口の前でこちらを向いて、にっこりほほえんで言いました。「先生、ありがとうございました。」

 毎年、合格発表の日、先生たちはどきどきしながら、教室で待機しています。電話が鳴るたび教室に緊張が走ります。

 「もしもし、先生?合格したよ!」「そうか!やったな、おめでとう!」「うん、先生、ありがとう!」

 私たちの仕事は、子供たちの「ありがとう」に支えられています。この言葉を聞くたび、それまでの苦労が吹き飛び、また教える情熱がわいてきます。まさに「魔法の言葉」です。

 しかし、振り返ってみて、私たち大人はしっかり「ありがとう」を言えているでしょうか。儀礼的な「ありがとう」ばかりになっていないでしょうか。

 「お母さん。雨が降ってきたから洗濯物入れといたよ」「本当!?助かったわ。ありがとう!」

 子供に対しても、素直に感謝の気持ちを口に出したいものです。

 自分につながるすべてのものへの感謝の気持ちを持ち、素直に自然に「ありがとう」と言えるように子供を教え導くのも、大人(親)の大切な役目だと思います。

<2008年2月1日 産経新聞 夕刊>

 



2015.12.23 マナー?

 ある小学校の入学試験の保護者面接で、「家庭では、お子さんにマナーをどのように教えていますか」という質問があったそうです。皆さんはマナーという言葉を聞いて、どんなマナーを思い浮かべるでしょうか。電車などの乗車マナーでしょうか。食事のマナーでしょうか。

 マナーは、ルールより厳しくないイメージがあります。ルールは守らなければならないが、マナーはそれほどでもないというような…。ルールは全員が守らなければならない「きまり」ですが、マナーはその判断が個人に委ねられている面があります。たとえば、「切符を買って乗車する」というのはルールですが、「電車の床に座らない」というのはマナーです。座ったからといって、罰せられるわけではありません。

 しかし、個人に委ねられているからこそ、マナーを守ることは大切だと思います。「マナーを守らないこと」は、人に直接害を与えるものではないけれど、人に不快な気持ちを抱かせます。逆に言えば、他人の気持ちを思いやらない人は、なぜ守らなければならないかもわからないのです。

 最近、「ルール」が増えてきています。これは、「マナー」のままだと守らない人が増えているからではないでしょうか。そのうち「電車の床に座ると罰金」というルールができるかもしれません。

 「マナー」がすべて「ルール」になってしまう前に、人の気持ちを思いやるマナーの大切さを子供に教えたいものです。

<2008年2月15日 産経新聞 夕刊>

 

2015.12.28 大人へのメッセージ!A聞く耳!

 「今の大人にこれはやめてほしいということを自由にかいてください」というアンケートを実施しました。ある地域のイングの教室の小学4年生から中学3年生まで約600人が対象です。

 この問いに答えた327人中117人が「タバコ」。約36%を占めました。ちょっと驚きの多さです。この結果をみると、子供の前では吸わないように心がけた方がよいかもしれません。

 中学3年生にもなると、厳しい回答が見られます。

 「適当に話を聞くこと」「自分の思い通りにしようとすること」「子供のことを知らないのに、とやかく言うこと」「何でも自分が正しいと思って、自分が思ったことを命令的に言ってくること」「今の子供は○○だ、と決めつけること」「将来の話になると、子供の意見を聞かず、『○○高校に行け!』と言うこと」

 この時期の子供は、少しずつ精神的に自立していきながらも、親に依存せざるを得ない変換期です。時には、それ自体が子供にとって腹立たしく思えることもあります。「大人扱いしてほしいけど、ほったらかさないでほしい」という矛盾を抱えた時期なのです。

 この時期の子供たちでも、塾の先生に対しては素直です。親への反抗は肉親への甘えだとも言えます。時に子供の言動に腹を立てることがあるかもしれませんが、感情的にならず「聞く耳」を持ち、粘り強く真剣に子供と向き合うことが大切です。

<2007年12月14日 産経新聞 夕刊>

 





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