大阪に本社を持たれている(株)イングの青木辰二代表が
平成19年4月〜平成20年9月の間に産経新聞夕刊に連載
されましたコラムを毎週水曜日に1本ずつご紹介します!
是非、子育ての参考にしてみてください!


2015.10.07 明るく!

 明るい挨拶は、明るい家庭づくりの第一歩です。

 ある調査によると、家族の団らんの時間が長い家庭ほど、また家庭生活に対する子供の満足度が高い家庭ほど、親子間でよく挨拶をしているそうです。つまり、家庭内の挨拶は、家庭がうまくいっているかどうかのバロメーターといえます。

 教育現場でも挨拶は重要です。

 小学校や中学校で、学校の生活目標に挨拶を掲げるところは多くあり、もちろんイングでも必ず挨拶を行っています。では、具体的に挨拶にはどういう効果があるのでしょう。

 明るい元気な挨拶は、相手(生徒)の意欲を引き出し、また、自分自身(先生)の気持ちを前向きにします。授業の最初に元気よく挨拶することで、子供たちの「さあ、やろう」という気持ちを引き出せるのです。

 もうすぐ夏の高校野球が始まりますが、試合前の高校球児の元気な挨拶を見ると、なんとなくわくわくした気持ちになりませんか。逆に、だらっとした挨拶だったらどうでしょうか。「さあ、見よう」という気にはならないかもしれません。

 最近、子供たちが疲れている、という声をよく聞きます。それは、大人が生き生きとしていないからかもしれません。まず大人が心がけて、明るく元気に子供と接しませんか。

 子供たちの未来を輝かせるために。

<2007年7月13日 産経新聞 夕刊>

 

2015.10.14 まねる!

 日頃接している生徒の親にお会いしたとき、しぐさや話し方が生徒とあまりにも似ていて驚かされることがあります。

 「子は親の鏡」「子供は親の言う通りではなく、する通りに育つ」「この親にしてこの子あり」―。子供は良いことも悪いことも親をまねて育っていくようです。

 「子供が育つ魔法の言葉」の著者ドロシー・ロー・ノルトさんが、あるインタビューで次のように答えていました。「見ていないようで、子供は親を見ています。親を見習うように指導するのが本来のしつけです」

 車があまり通らない細い道の横断歩道。赤信号でも渡ってしまう大人が多くいます。たとえ危険でなくても子供と一緒に渡ると、子供はそれをまねるようになります。そして「赤信号でも渡る」ことをまねるだけでなく、「ルールは時として守らなくても良い」ということまでまねるようになります。

 ドロシーさんは次のようにも答えています。「親に子供ができるのではなく、人は子供ができて初めて親になるのです。親になるための訓練も学習も必要なんです」

 親が、ほかの親をまねて学習することも大切です。情報が多すぎて子育てに迷いが多い現代だからこそ、さまざまな人の体験から学ぶことが大事ではないでしょうか。成功体験はもちろん、失敗も反面教師として生かせます。

 「まねる」。それは子育てのキーワードではないでしょうか。

<2007年8月17日 産経新聞 夕刊>

 

2015.10.21 モンスターペアレント!

 「モンスターペアレント」とは、学校に対して自己中心的で理不尽な要求を繰り返す保護者を意味する言葉です。その要求(クレーム)には驚きます。「自分の子供が注意されたことに逆上して学校に乗り込み、延々とクレームをつける」「写真の中央に自分の子供が写っていないと訴える」など…。

 この問題が増え始めたのは1990年代後半からです。「70年代後半から80年代前半の校内暴力が増えた時期の生徒が親の世代になったため、教師に対して敬意を持っていないからではないか」と指摘する専門家もいます。別の言い方をすると、学校や教師が「特別な存在」でなくなったことが、一番の原因ではないでしょうか。

 現在、企業間の厳しい競争を「徹底した顧客満足の向上」を掲げ、勝ち抜いている企業が多くあります。これは消費者の立場で言うと、「高いサービス」を受け慣れているということです。そこで、学校も同じサービス業ととらえ、「言ったもの勝ち」の論理を持ち込んでいる面があるのではないでしょうか。

 保護者が常識の範囲内で要望を言うのは当然ですし、教師が力量を上げるための取り組みも大切です。しかし家庭では、子供に対し、学校や教師の悪口を言わず、「先生の言うことを聞きなさい」と指導することも、教育には大切なことです。

 わが子が将来「モンスターペアレント」にならないよう、親自身が振り返ってみてはいかがですか。

<2007年8月31日 産経新聞 夕刊>

 

2015.10.28 ことば力!

 最近、子供たちの語彙(ゴイ)力の低下を指摘する声がよく聞かれます。それを特に感じるのが、話しことばです。

 例えば、自分にとって不都合なことが起きたり、自分が失敗したりしたとき、子供たちはすぐ「最悪!」と叫びます。ノートを忘れても「最悪!」、消しゴムを床に落としても「最悪!」です。「しまった」や「残念」などのことばは失われ、「最悪!」だけが幅をきかせています。

 語彙が減ることは表現する力が弱まることでもあり、やがて書きことばや文章力にも影響がおよびます。小学生の作文で、何を書いても「楽しかった」で終わる、ということがよくありますが、その現象はすでに中高生、いや大学生にも広がっているかもしれません。

 語彙力の低下とともに気になるのは、「うっとい」「キモい」「ムカツク」など、子供たちのことばがより鋭くなっていることです。こうしたことばで、知らないうちに友人を傷つけることもあるでしょう。

 テレビではバラエティー番組が増え、内容はよりオーバーに、より刺激的になっているように感じます。子供たちの話しことばとも無縁ではないでしょう。ただ、これは最近始まったことではなく、この流れを止めることもできません。

 大切なのは、身近な大人(親)がことばにもっと目を向け、子供の日常会話が豊かになるよう心配りをすることです。そのためには、子供の会話に無関心にならず、ときには言い換えてやることも必要でしょう。また、読書などによって、自分のことばを磨くことも大切だと思います。

<2007年9月7日 産経新聞 夕刊>

 




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