大阪に本社を持たれている(株)イングの青木辰二代表が
平成19年4月〜平成20年9月の間、産経新聞夕刊に
連載されましたコラムをご紹介します!
ぜひ、子育ての参考にしてみてください!


2016.08.31 子供が輝くために!

 子供たちにアンケートで「どんな大人になりたいですか?」という質問をしたところ、次のような回答がありました。

 「正しい判断ができる大人」「困っている人を助けられるような大人」「マナーを守れる大人」「子供と同じ目線で考えることができる大人」「夢をあきらめない大人」「子供が自慢できる大人」「家族を大切にする大人」「社会に貢献できる大人」

 これらは子供たち自身の夢ですが、同時にわれわれ大人(親)へのメッセージでもあります。「マナーを守れる大人」になりたい、ということは「マナーを守れない大人」が多いということです。われわれ大人(親)は謙虚に、これらの子供たちの声に耳を傾ける必要があるのではないでしょうか。

 子供の幸せは親のいちばんの願いです。そのために、子供たちをよりよく育てたいものです。子供の教育に携わるすべての人が、まず自分に何ができるかを問い、そして自分の行動を変えることが大切です。

 「子供の未来、大人から変わろう」。これは今後も教育のキーワードです。子供たちの輝く未来のため、ともに考え、行動していきましょう。

 長い間のご愛読ありがとうございました。

=おわり

<2008年9月26日 産経新聞 夕刊>

 

2016.08.24 情報選別力!

 受験生が進学校を決める際、どのような要素によって決定するのでしょうか。「難易度」「進学実績」「学費」「交通の便」「校風」「クラブ」「制服」…。思いつくまま並べても、考える要素はかなり多くあります。

 しかし、実際に指導していると、一部の情報だけで決めてしまう親や子供が結構います。「自宅から近いから」「校風が自由だから」「制服がかわいいから」…。

 何事も、ちょっとしたきっかけで決めることがあります。でも、これだけで決めるのはどうでしょう。周りからの情報が実際の中身と違うことはよくあることですから、学校選びという特に大切な選択は慎重に行うべきでしょう。

 現代は情報を入手しやすい時代です。試しにある高校のホームページを開いてみると、「入試要項」「学費」「入試説明会」「クラブの実績」「カリキュラム」「制服」「合格実績」…、主な情報はほぼすべて載せられていました。今度は多すぎて迷ってしまいそうです。でも、一部の情報で決めるよりはましです。すべての情報を偏りなく見たうえで、「百聞は一見に如かず」。オープンキャンパスや体験スクールに参加し、決定すればよいでしょう。

 「多くの情報を得、取捨選択し、それを活かす」。これからの時代を生きるうえで必須の能力です。このことを念頭において、親はアドバイスをしてやりたいものです。

<2007年10月26日 産経新聞 夕刊>

 

2016.08.17 休日の過ごし方!?

 イングのある地域の教室に通う小4〜中3生500人に「休日に遊びに行くなら、だれと行きたいですか?」と尋ねてみました。

 「友達」がトップで51.3%、2番目に多かったのは「家族みんなで」で24.2%ありました。「父」「母」「兄弟姉妹」は10%にも届かなかったので、子供たちは「家族の中のだれか」とではなく「家族みんな」でのまとまりを期待しているようです。

 子供がちいさいころは、家族中心の行動になりますが、小学生の高学年や中学生にもなると、友達との行動が増えてくるのは当然のことかもしれません。でも、アンケート結果から見ると、その年代になっても4人に1人は「家族みんな」で過ごす休日を望んでいるようです。

 最近読んだ本やニュースについて話したり、テレビドラマの感想を伝えあったりする。家族だからこそ気をつかわずに、自分の感じたまま、思ったままを表現できます。

 また、家族で協力してひとつのことに取り組むのもいいですね。家の中や周りの大掃除、キャンプに出かけての共同生活、日曜大工など…。

 家族で休日を過ごすことで、お互いへの理解を深めたり、みんなで助け合って何かをやり遂げた充実感などを子供たちに伝えたりしたいものです。

<2008年9月12日 産経新聞 夕刊>

 

2016.08.10 うれしいひと言!

 前回に引き続き、約500人の小中学生に実施したアンケートの回答の一部を紹介します。今回は「(親に)言われてうれしいひと言」です。

 「ようやったな、すごい!」「えらいやん、努力してるな」「頭良かってんなー、あんたほんまにかしこいな」「○○やってくれてありがとう」「お手伝いありがとう」「やればできるやん」「勉強した結果が出たな」「やさしい子やなあ」「野球うまくなったな、クラブがんばれ」

 こうして紹介しているだけでも何かうれしくなってきます。ほめ言葉や励ましの言葉、評価する言葉は、人の心を浮き浮きさせます。

 「(気持ちを分かってくれて)つらかったね」「さすがお父さんの子や、天才やな」「おめでとう」「お小遣い増やしたろか」「テストの点数上がったなー」「信じてるで」「本屋いこか、みんなでどっかいこか」「がんばったね。いつもがんばっているね」「頼りになるね」「よし!焼肉いこか!」 

 それでは、とにかく褒めさえすれば良いのでしょうか。ほめるには「観察とタイミング」が重要です。普段の子供の様子を観察し、少しの頑張りを見逃さないことです。これが、子供のヤル気を引き出す特効薬となるのです。

<2008年9月5日 産経新聞 夕刊>

 

2016.08.03 これは言わないで!

 子どもたちは何気ないひと言で、急にヤル気を出したりヤル気を失ったりします。子供のヤル気を引き出すにはどのような言葉をかければよいのでしょうか。

 先日、イングのある地域の約500人の小中学生にアンケートを実施し、その中で「(親に)言わないでほしいひと言は何ですか」という質問をしました。

 その解答の一部を以下に紹介します。 「早く〜しなさい!」「こんな点とってきたらあかんやろ」「勉強しろ、もっと勉強しなさい!」「あの子賢いなー」「あんたも◯◯ちゃんみたいに努力しいや」「(テストの点を見て)行く高校がないよ」「あんた勉強してるんか!?」「最悪やな」「お小遣い減らすよ」「(100点に近い点数を取ったのにほめてくれない)あと少しがんばりなさい」「クラブやめなさい」「ケータイ解約するよ。遊びに行くのもダメ!」「もう中学生やろ」

 子供の努力や存在をすべて否定するような言い方に子どもたちは傷つきます。この部分はよくやっている、でもこの部分はできていないというように、認めている部分をしっかり伝えることが大切なのではないでしょうか。

 次回は「言われてうれしいひと言」を紹介します。

<2008年8月29日 産経新聞 夕刊>

 

2016.07.27 夏休み!

 子どもたちが楽しみにしていた夏休みがスタート。あるアンケートによると、小学生の約8割が「すてきな夏休みになる」と期待しているそうです。主なイベントでは「祖父母の家に泊まりに行く」「映画鑑賞」「花火大会」「家族旅行」「海水浴」などが上位に挙がっています。皆さんの家庭ではいかがですか。

 子供たちにとっては楽しい夏休みですが、特有の開放感で、つい生活が乱れてしまうことも…。ある都市の少年補導状況を調査した資料によると、1年間の補導件数の約4割が7、8月に集中しています。夏休みは危険な時期でもあるのです。

 そこで、充実した夏休みを過ごすため、「夏休みの約束事」を家庭で作られてはいかがでしょうか。まず、生活リズム。学校が休みになる分、朝寝坊するのではなく、親子で早起きして一緒にラジオ体操に参加するなど、同じリズムを維持したいものです。

 そして、夏休みだけの子供の役割を与えるのも良いことです。普段は忙しくてなかなかできない食事の後片付けやお風呂掃除などをさせるのも良いでしょう。門限を設けるのも大切なことです。

 このように、子供に任せきりにせず親がかかわってこそ、普段の生活とは違う、充実した、しかも成長できる夏休みになると思います。「親子関係」をもう一度確認し、しっかり「わが子の観察」をしつつ、子供の「楽しい夏休み」を応援する。これが親に望まれる姿勢ではないでしょうか。

<2007年7月27日 産経新聞 夕刊>

 

2016.07.20 手紙!

 郵便事業株式会社では、毎月23日を「ふみの日」と定め、特に文月である7月には「ふみの日にちなむ郵便切手」を発行します。

 最近では手紙を書くことも少なくなってきています。子供たちにとっては、学校でわざわざ学ぶものになっているようです。

 われわれ大人(親)も正式な手紙を書くことが少なくなりました。「頭語〜時候の挨拶(あいさつ)〜主文〜末文〜結語〜後付け…」。決まった形式で正しく書くのは結構難しく、骨が折れる作業です。

 それだけに時折、自筆のお手紙をいただくと、その方の温かい気持ちが感じられ、たいへん嬉しいものです。

 子供たちは「より早く、より便利に」という世の中に生まれてきました。私たち大人(親)は、遅くて不便なものの中にも大切なものがあることを、子供たちに伝える役目を持っているのではないでしょうか。

<2008年7月18日 産経新聞 夕刊>

 

2016.07.13 「ピンチ」は 「チャンス」!

 こんなことがありありました。中学3年生の女の子が数学のあるテストで30点をとってしまったのです。難しいテストでしたが、受験生にとって30点はたいへんなショックでした。

 でも、彼女は一言の言い訳もせず、それからひたすらに数学の勉強をし続けました。これまで解いてきたすべての教材を解き直しました。過去に受けた定期テスト、実力テスト、ありとあらゆるテストを引っ張り出してきてかたっぱしから解いていったのです。2週間後、模擬テストの結果は驚くばかりの伸びを示していました。

 彼女は見事に「ピンチ」を「チャンス」に変えたのです。彼女はこの経験で、数学の力をつけただけでなく、「ピンチ」は自分の頑張り次第で「チャンス」にもなるのだ、と言うことを学びました。

 結果が悪いのはショックです。でも、それは事実です。その事実をしっかり見つめるのか、それとも言い訳をして目を逸らせてしまうのか、どちらを選ぶかで結果は大いに違ってきます。

 「ピンチ」は最大の「チャンス」です。そのきっかけを見逃さずにトンと後押しをするのが、私たち大人(親)の役割ではないでしょうか。辛い時、苦しい時にこそ力を出せる子供に育てたいものです。

<2008年8月22日 産経新聞 夕刊>

 

2016.07.06 金銭教育!

 「ファイナンスらんど」「カネールのKIN☆YOUランド」
 これらが何かわかりますか?財務省、金融庁のそれぞれのホームページにある子供向け金銭教育ゲームの名前です。なかなか面白くできていて、大人でも楽しめます。やはり、こういうゲームにしないと「税の仕組み」や「お金の役割」などを子供に楽しく教えるのは難しいのでしょうね。一度、ご家庭でものぞいてみてはいかがですか?

 家庭でできる身近な金銭教育といえば「お小遣い」です。最近、小学生の保護者に聞いたところ、10人中8人の方が「お小遣いの額を決めず、必要なときに必要な分を渡している」と答えられました。

 しかし、これはどうでしょうか。金銭教育の面から考えると、毎月一定のお小遣いを渡して子供なりに工夫や計画をさせる方がよいと思います。小学生なら、1カ月に(100円×学年)ぐらいが適当ではないでしょうか。

 使い道については、よほどの場合を除いて親は口を挟まず、その代わりお小遣いの「追加」や「前借り」は認めません。

 「お金は自然にわいてくる」「お金は借りてあとで返せばよい」という考え方が子供に浸透するのは怖いことです。

 「お金は一生懸命に働いて得られるもので、大切に、計画的に使わなくてはいけない」

 お小遣いを通して、こういう気持ちをぜひ養いたいものです。

<2007年8月3日 産経新聞 夕刊>

 

2016.06.29 当たり前!?

 塾で子供たちを指導していると、「当たり前」のことができていない子の多いことに気づきます。また、「当たり前」のことを毎回続けている子が非常に伸びていくことにも気づきます。

 「当たり前」のことというのは、別に「予習・復習をする」とか「毎日2時間は家で勉強する」とかいうレベルのものではありません。「あいさつをする」「返事をする」「脱いだ靴をそろえる」「先生の方を見て話を聞く」「姿勢を正して授業を受ける」というような、ごく基本的なことです。

 優れた講師ほどこれらの「当たり前」のことを徹底して指導します。粘り強く言い続けます。経験上、これら「当たり前」のことの大切さをわかっているからです。

 「当たり前」のことは意外性がないため、つい軽く見られがちです。会議などでも、奇抜な意見が尊重され、誰でも思いつくようなことは軽視される傾向にあるのではないでしょうか。

 しかし、特に教育においては「当たり前」のことを言い続ける重要性を忘れてはいけません。「前に1回言ったから…」ではなく、言い続けることが大切です。一度、「当たり前」を見直してみませんか?

<2008年5月23日 産経新聞 夕刊>

 

2016.06.22 子供のヤル気!

小学生が「とてもやる気になる」「やる気になる」のは次のようなときだそうです。

 1位 授業がよく分かるとき
 2位 先生にほめられたとき
 3位 授業がおもしろいとき
 4位 クラブ活動などに一生懸命取り組んでいるとき
 5位 仲のよい友達ができたとき
(国立教育政策研究所「学習意欲に関する調査研究」より)

 中学生や高校生になると「成績が上がったとき」や「将来つきたい職業に関心を持ったとき」などが上位項目に入ってきます。

 また、家庭においては「両親などにほめられたり励まされたりしたとき」や「家族が仲良く、楽しく過ごしているとき」と答える子供が多くいました。

 目標に向かって努力している姿に「よくがんばっているね」と声をかけ、不安がっているときには「大丈夫だよ、続けていれば必ず伸びるよ」と励ます。そうすると、自分を見ていてくれるのだという安心感と、結果だけでなくそれまでの努力も評価してくれているのだという信頼感が子供に生まれます。

 私達大人(親)は、その積み重ねこそが子供のヤル気を高めるのだということを忘れず、子供に接したいものです。

<2008年7月4日 産経新聞 夕刊>

 

2016.06.15 父親力!

 「父の日を意識しますか」という質問をお父さんにしたところ、約6割が「ほとんど意識しない」と答えたそうです。「母の日」と比べると何となく地味な「父の日」。しかし、「父親力」が最近注目されています。教育で父親の果たす役割はやはり大きいのです。

 イングでは年に数回、生徒たちにアンケートをとっていますが、「叱る先生」= 「人気のない先生」ではありません。むしろ「叱れない先生」=「人気のない先生」という傾向があります。

 普段は明るく授業も楽しいけれど、良くないことにはピシッと叱る。そういう「父親的指導」のできる先生が慕われているのです。

 あるアンケートでは、中学2年生の4人に3人が自分の父親を「あまり怖くない」と答えたそうです。昔の頑固親父は影を潜め、「友達お父さん」が増えているのでしょうか。

 でも、子供は心の奥では「父親的指導」を求めています。叱ることを母親任せにせず、いけないことはいけないとピシッと叱る。父親の威厳が求められているのです。

 ただ、叱る前に子供をよく理解しておくことも大切です。「子供の好きな教科は」「親しい友達の名前は」「将来の夢は」。これらに答えられるでしょうか。

 「父の日」を機に、子供と本気で向き合ってみませんか。「父親像」について考え直してみませんか。

<2007年6月15日 産経新聞 夕刊>

 

2016.06.08 2つの「ひ」!?

 「お兄ちゃんはこの問題集を全部解いて○○高校に受かったんだから、あなたもやりなさい」「○○ちゃんは算数得意だから一緒に宿題させてもらったら?」「ずっと寝てばっかりで何がしんどいの?」「そんなこと言うてたらほんまにアカンようになるよ」

 なんとかわが子にヤル気を出してほしいという親の願いから、このような言葉を子供にかけていませんか。

 日常的なこれらの言葉の中に、2つの「ひ」が隠れていることにお気づきでしょうか。

 そう、2つの「ひ」とは、「比較」と「否定」です。

 他人と比べられてもヤル気は出ません。また、良くないと分かりつつも頭ごなしに否定されては、口論になるか話す気を失うかのどちらかです。

 これらは言われてみると当たり前のことですが、日常では意外と気づきません。意識しなければついつい出てしまうものなのです。

 多くのコミュニケーションスキルを学ばなくても、2つの「ひ」に注意するだけで、子供との距離はきっと近くなるはずです。われわれ大人(親)は、子供と接する場面でこのことをぜひ心がけたいものです。

<2008年6月27日 産経新聞 夕刊>

 

2016.06.01 失敗談の魅力!

 授業の前後、子供たちが先生によく話しかけています。子供たちは、講師という大人の存在に興味津々なのです。特に教師の体験談に身を乗り出して聞いています。

 その中で、子供たちが楽しげにうなずいているのが、講師の過去の失敗談です。

 成功体験は子供たちにとって希望や目標となりますが、そればかりでは時に子供たちを追い詰めることにもなります。

 「先生、目標点に届かんかった」。テスト後、そんな子供たちの話に「本気で勉強したんか?」と答えるだけでは、子供は逃げ場がなく、次へのやる気がそがれかねません。

 「先生も、いつも達成できていたわけじゃないよ。国語で○○点しかとれなかったこともあったよ。その時の勉強の仕方が悪かったからやねん。先生と同じ失敗してない?」

 そう答えてあげると、子供たちは自分から勉強の仕方を振り返り、次に同じ失敗をしないように取り組みます。

 普段の生活でも同じではないでしょうか。時には、お父さん、お母さんの失敗談が子供の不安とストレスを解消する薬になるかもしれません。

<2008年6月20日 産経新聞 夕刊>

 

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