子どもの才能は生まれつき?
いいえ、家庭の関わりが大きな作用を果たします。


2016.2.05 「玉井式国語的算数教室」入会にあたって

 一般に学習塾では、2月〜3月に新しい年度の講座がスタートします。したがって、全国の玉井式導入塾のほとんどは、ちょうど玉井式の講座の通学生を募集している時期であろうと思います。

 このブログ記事をお読みくださっている保護者のなかにも、通学を検討くださっているかたがおありかもしれません。「玉井式って、どういうものなの?」と興味のあるかたは、玉井式の公式ホームページの案内に目を通されたり、最寄りの玉井式導入塾でパンフレットをお取り寄せになったりしておられると思います。

 このブログにおいても、これまで何度も玉井式の特徴やよさについて書いていますので、それも併せて参考にしていただければ幸いです。

 今回の記事は、玉井式への通学を検討しておられる保護者の方々に、私の勤務する学習塾が「玉井式国語的算数教室」を導入した経緯や理由についてご紹介してみようと思います。「玉井式に通うと、どんな成果が見込めるか」をより具体的にご理解いただけるかもしれません。


 私の所属する学習塾が正式に「玉井式国語的算数教室」を導入したのは、2012年(平成24年)の春でした。以前も書きましたが、呼称と言い、指導の手法と言い、非常にユニークな講座でしたので、社内で簡単に「導入しよう」と意見が一致したわけではありませんでした。

 特に経営者は、まだ十分に成果が検証されていない講座でしたので、導入に消極的でした。そこで、1年間試験的に導入して成果を確かめてみることになりました。ただし、試すのは1校舎だけで、それも1年生と2年生の1クラスのみということになりました。

 この試験的な導入に応じてくださり、わが子を通わせてくださったのは、高学年のお子さんを通わせてくださっている家庭でした。「弟妹がおられれば、通ってみませんか?」という誘いに興味をもち、応じてくださったのです。1年生、2年生ともちょうど10名集まりました。
 
 試験開講して半年後、授業を依頼した者からの報告は以下の通りでした。報告内容は、玉井式で学ぶ子どもたちの反応の様子です。

・アニメーションを使い、物語風の話のなかに算数場面を設定しているが、これは子どもにとってなじみやすく、興味を惹きつけている。端で見ていても、全員が映像を注視している様子が明らかに感じられる。
・アニメーションによる「基本のお話」を見た後で、プリント学習、「ものがたり算数」、プリント学習、映像によるヒント・・・という流れは、集中力の続かない低学年の子どもにはメリハリがあってよい。退屈そうにする子どもはほとんどいない。
・子どもたちはアニメーションのキャラクターに心を通わせているようで、「一緒に頑張ろう!」と、意欲的に授業に臨んでいる。
・問題に取り組むときにも、物語の流れをよく記憶している(アニメーションの効能だろう)。
・あくまでも中身が伴ってこそのことではあるが、子どもはアニメーションの学習を大変喜び、通学を楽しみにしてくれている。特に理由もないのに休むような子はいない。


 上記は報告内容のすべてではありませんが、ネガティブな意味合いの報告はあまりなかったように記憶しています。ただし、保護者にとっての最大の関心事は、「学力形成に寄与するのかどうか」「謳っている効能はほんとうなのか」ということだと思います。

 そこで当時、現場で指導にあたった者2名と、指導担当者のなかで最も能力の高いベテラン講師(玉井式の試験的導入による授業のほとんどに目を通していました)から提出してもらった情報の一部をご紹介してみましょう

●指導担当者(1年担当)
 「ものがたり算数」の映像を見る際、子どもたちはお話の流れをつかむのは勿論のこと、ポイントを頭で押さえながら視聴できるようになりました。1年生にしてはものすごい集中力を発揮し、大切なところを自ら選択して、問題を解くために使おうとしています。こうした頭脳作業は、算数だけでなく国語においても大切なことで、それを導けるところが玉井式の優れた点だと思います。

●指導担当者(2年担当)
 今のクラスの子どもたちは、もともと基礎はある程度備わっており、学力や知力が高いと思います。授業にもしっかりとついてきています。できる子が集まっているからとは言え、授業ではどの子も熱心に学んでいます。このことは、玉井式が教育熱心な家庭の期待に応えられること、できる子の好奇心や向上心を惹きつける力があることを裏づけていると思います。

●ベテラン講師
 算数はかなり高度なことを相当なスピードでやっていますが、大半の児童は授業についてきています。玉井式に対する保護者の期待が高く、学習姿勢や家庭での学習習慣などについて、熱心にフォローしておられるのではないでしょうか。テストの結果を見ても、かなり頑張っているように感じ取れます。

 国語に関しては、読めることが前提になっているため、低学年では玉井式の文章読解に難渋している児童も若干見られます。国語に関しては、おそらく家庭での学習が前提となっていると思われます。「これがすらすら読めないといけないのか・・・」と、不安になる保護者へのフォローが必要でしょう。


 いかがでしょう。いくらかでも参考になる面があったでしょうか。最後のベテラン講師の感想にある「読解力」についてですが、読みのイロハを習得する段階から、ある程度文章を読めるようになるまでの学習は、学校や家庭で不足のない程度にスキルアップしておくことが必要でしょう。そのうえで、玉井式の講座の学習をしていただければ、玉井式で成果を得られるという「長文読解」の力を身につけることができると思います(読解力をつけるための前提については、今後少しずつ情報をご提供します)。

 最後に、玉井式の導入を決定づけたことについてお伝えしておきましょう。年度最終回の「実力確認テスト」において、1年生も2年生も、全員が80点以上の成績を修めました。子どもたちが最後まで喜んで通い、そして学力も向上させている。これを確かめたのですから、正式導入は極めて当然の結論だったと思います。

H,S

 

2016.2.12 家庭学習が育む大切なもの

 「先生、うちの子は家で勉強を全然やろうとしません。どうしたものでしょうか」――これは、かつて私の勤務する学習塾で保護者から受けた相談の一例です。みなさんのお宅が、こういう問題と無縁であればよいのですが。

 こうした状態を改善しないまま高学年になると、もはや親の手で改善するのは困難になってしまいます。業を煮やしたおかあさんのなかには、毎日わが子に張りついて強引に勉強させるかたもおられます。先々中学受験を視野に入れておられると、「ちゃんとやらせなければ」という思いが強くなり、やむを得ずこういった対応をされるのでしょう。

 しかしながら、無理にやらせればやらせるほど子どもは勉強を嫌がるようになります。いったんこのような負の連鎖に陥ってしまうと、親は手を引くに引けなくなってしまいます。高学年の保護者から、「毎日遅くなってもよいから、もっと塾で鍛えてください」といったような要請を受けることがありますが、それは前述のような問題を親がもて余した結果であろうと思います。

 子どもが家庭で勉強しない。これは近年の子どもに共通した問題です。低学年の段階から習い事や塾などが毎日のようにあり、それによって疲労していたり、遊びたい気持ちに振り回されたりしている子どもが少なくないという指摘があります。また、コンピュータゲームやTVアニメ、携帯などの遊びに取り憑かれ、しんどい思いを伴う勉強から逃避する子どもも多いと聞きます。実際はどうなのでしょう。

 わが子が家庭勉強に取り組まない。この問題への対応として、学校や学習塾に補強指導や宿題を要求しても、決して問題の解決には至りません。学校で30年以上教師をした経験をもつ先生は、「大人が家庭勉強の役割を誤解し、子どもへの接しかたを取り違えるからこうした問題が起こるのだ」と述べておられます。

 またその先生は、「学校や塾での学習の目的と、家庭学習の目的はそもそも違うものであり、学校や塾でわからなかったことを埋め合わせるために家での勉強があるのではない」とおっしゃっています。確かに、学校でも、学習塾でも、家庭でも学力をつけるための勉強に追い立てられたのでは、子どもはたまりません。その結果、いちばん我が儘の通る家庭で勉強を投げ出すという事態に至っているのかもしれません。


 では、学校、塾、家庭、それぞれの学習面での役割とはどのようなものでしょう。学校は正式な学習の場であり集団指導の場です。様々な教科の学習をとおして、学力を身につけるとともに、他者と交わりながら人間関係築くすべを学び、将来社会に通用する人間になる基礎を築いていくのが、その大きな役割であろうと思います。

 学習塾は、学校の学習をちゃんと理解できなかったり、習熟が不足したりしたとき、その埋め合わせをする場所です。また、玉井式のように、低学年を主対象とする才能開発的な学習塾もあります。さらには、中学受験を視野に入れた、より高いレベルの学力を身につけるための学習塾もあります。いずれにしても、塾は学校の役割のうち、学力形成の一側面を補強するために存在すると言えるでしょう。

 一方の家庭学習は、それとは違った役割を担っています。特に児童期までの家庭学習について言うと、子どもが課題に興味をもち、自ら率先して学習に取り組み、知りたいという欲求を満足させる行動の積み重ねを通して、常に新しい知識を自分で習得してく姿勢を培うためにあるのだと言えます。ここで言う課題は、学校や塾の課題だけではありません。自ら見つけた課題も含みます。

 以上からおわかりいただけると思いますが、一生自らの向上をめざす人間として、自学自習の姿勢を磨いていくためにあるのが家庭学習なのです。学校では、教科書の進行カリキュラムに則(のっと)り、順次新しい単元の考え方や知識を学んでいきます。それに対して家庭学習は、心の姿勢を養うためにあるのですね。

 ところが、現実には家庭学習を学校や学習塾の勉強の延長ととらえ、「とにかく勉強しなさい」と大人が働きかけるケースが少なくありません。これでは子どもを勉強嫌いにさせるだけであり、知識と心のバランスのとれた人間に成長させることはできません。

 子どもの自立とからませながら、勉強に向きあう姿勢を辛抱強く育てていくことが、われわれ大人に求められるのではないでしょうか。

H,S

 

2016.2.19 この1年の学習を振り返ってみましょう

 前回は、学校や塾での学習と家庭学習とでは根本的に役割が異なることをお伝えしました。学力をつけるとともに、全人教育を目標に置く学校(学習塾は学力形成に特化する場所)に対して、自ら学ぶ姿勢を鍛錬することを目標に置くのが家庭学習と言えるでしょう。

 ところで、学校や塾には子どもたちを指導してくれる先生がいます。では、家庭学習で先生をしてくれるのは誰でしょうか。言うまでもなくおかあさんです。子どもの日々の家庭学習を見守り、よりしっかりとした取り組みができるよう導く役割は、おかあさんに求められているわけですね。

 玉井式の2015年度講座の終わりにあたり、わが子の家庭学習(玉井式の「できたかな?プリント」の学習、テキストの学習など)の先生としてこの1年を振り返ってみてはいかがでしょうか。以下の項目について、進歩が見られたかどうかをチェックしてみてください。

この1年間の家庭学習を振り返って


 なお、評価にあたっては「前と比べてどのくらい進歩がみられたか」という視点でお願いします。他との比較ではなく、お子さん自身の進歩の度合いを見てあげてください。なかには、「進歩がない」と、嘆くおかあさんもおられるかもしれません。特に1〜2年生は、まだ自分を客観的に見たり、自己を振り返ったりする思考は未発達ですから、うまく行かない項目があっても当然です。

 前回書きましたが、おかあさんが叱ってやらせようとすると、家庭学習を支える「前向きさ」が根本から崩れてしまいます。がんばれる、がんばれないに関わらず、辛抱強く温かく後押ししてあげてください。そういう働きかけあってこそ、お子さんは変わっていくものです。

 私の勤務する学習塾の高学年部門の保護者面談で出る話題で最も多いのは、わが子の学習姿勢に関するものです。成績を気にして来られるおかあさんも、話を伺ってみると結局は学習姿勢の問題に行き当たります。「もっと積極的に取り組めないものか」とじれったい思いをしておられる保護者のなんと多いことか。

 このことからわかるのは、学習姿勢の重要性です。能力以前に、学習に取り組む姿勢をきちんと築いていないから成績が伸びないのです。このことは、低学年児童をおもちのご家庭に大きなヒントを与えてくれるでしょう。すなわち、「今のうちに確かな学習姿勢を築いておけば、先々親の悩みは随分解消されるし、お子さんの学習もはかどる」のです。

 そこで、先ほどのチェック項目の5つを振り返ってみましょう。家庭学習において、いずれかの項目に問題を感じておられたなら、以下のポイントについて振り返ってみてください。

1年間の振り返りのポイント<例>


 小学校の低〜中学年の子どもは、まだ勉強のよさを客観的に掌握したり、目的意識に基づいて学んだりすることはできません。学習への励みとしては、おかあさんの承認がいちばんの要素です。ですから、おかあさんが叱ってやらせていると、子どもの欲している「おかあさんの承認」が欠落したままの状態になってしまいます。

 人間は、独り立ちに至るまでに最も多くの時間を要する動物です。親はつかず離れずの間合いで、たくさんのフォローを余儀なくされますが、やがては親の力を借りずともすばらしい能力を発揮できるようになります。そこまでが親の辛抱です。長い独り立ちに向けた道程ですが、それでももう半分近くは過ぎています。このもどかしいプロセスを、是非楽しんでいただきたいと思います。

H,S

 

2016.2.26 意欲が先か、それとも習慣が先か

 タイトルを読んで、「いったい何のことだろう?」といぶかしく思われたでしょうか。今回は、子どもの学習においてまずもって大切にすべきは「学習意欲」か、それとも「学習習慣」か、ということについて書いてみようと思います。

 玉井式の教室にご縁をいただいているのは教育熱心な家庭です。わが子の学力形成に大きな関心があるからこそ、小学校低学年のお子さんを学校以外の教室に通わせておられるのですから。

 しかしながら、このような教育熱心な保護者の方々でも、この質問に自信をもって答えられるかたは少ないのではないかと思います。まさに、「鶏が先か、卵が先か」に等しい、答えに窮する質問かもしれません。

 実際のところ、長年小学生の学習指導を経験してきた私自身も同じです。また、保護者にお集まりいただいた席でこの質問をしても、大概答えは半々に分かれます。そろそろ、もったいをつけずに答えをお伝えしましょう。答えは「習慣」です。

 とは言え、この質問の答えをお伝えしただけでは何の役にも立ちません。そこでまず、有名な教育社会学者の著作の一部をご紹介し、学力形成における習慣づけの重要性についてまずは着目していただこうと思います。

 近年の論調では、「子どもたちの学習意欲の低下こそが最大の問題である」と語られることが多い。「子どもたちの意欲を高める働きかけこそが、教師が考えなければならないポイントである」と主張されることも多い。しかしながら私は、こうした意見には反対である。学力問題の核心は、「子どもたちの意欲をどう高めるか」という意識の問題では決してなく、「子どもたちの習慣づけをどう図るか」という行動レベルの問題であると考えるからである。

 この学者によると、学力低下問題に対する対策として重要なのは、意欲(意識)に働きかけるのではなく、習慣づけ(行動)をどう図るかということのようです。つまり、習慣づけに目を向けたほうが学習の成果を引き出しやすいのです。

 意欲よりも習慣が先であるべきだという考えの根拠として、前述の学者は食べ物を例に説明しておられます。たとえば「イナゴの佃煮」を見て、「おいしそうだ。はやく食べたい!」と思う人は、極めて少ないのではないでしょうか。それどころか、「昆虫を食べるなんて」と気味悪く思う人のほうが多いことでしょう。

 しかしながら、子どものころから食べ慣れている人はまったく違った反応を示します。「あっ、おいしそうなイナゴだ。ご飯に載せて食べたら最高だな」などと舌なめずりをするかもしれません。つまり、「食習慣」が「食欲」を生むのです。見た人が、「おいしそうなイナゴ」と思うか、「気持ち悪い虫の死骸」と思うかは、習慣づけの有無によって決まってくるわけです。実際、このたとえ話を書いておられた前述の学者は西宮のご出身だそうで、ご自身がイナゴの佃煮を食べて大きくなられたのだそうです。だから、当然イナゴの佃煮は大好物なのです。

 この学者は「勉強も同じことであり、数学の難しい課題も、難問と格闘して答えにたどり着いたときの喜びを知っている生徒にとっては意欲の対象になるけれども、こうした成功体験をもたない生徒にとっては忌避の対象にしかならない」と述べておられます。

 このことから言えるのは、勉強の習慣づけを早くから行っておけば、子どもは勉強に取り組むのが当たり前になっていき、そうしたプロセスで徐々に勉強の面白味もわかってくるようになるということです。つまり、習慣づけを通して意欲も高まっていくという流れができていくのです。


 ところで、勉強の習慣づけにあたっては、子どもが一人で勉強できるようになっていなければなりません。子どもがまだ小学校の低学年の場合、「自分でやりなさい」「決めた時間になったら机に着いて勉強しなさい」と言っても、できない子どものほうがはるかに多いのではないでしょうか。では、子どもはいつごろから机やリビングのテーブルについて勉強することができるようになるのでしょうか。

 この問題の答えは、「黙読が可能になるのはいつごろか」を考えれば解決できるでしょう。なぜなら、黙読ができると、子どもは一人で座って教科書やプリントの文字を読むことができるようになります。ですから、決まった時間に机に向かい、自習することができるようになるのです。その時期は、だいたい2年生の前半だと思われます。ですから、2年生頃が勉強の習慣づけの可能になる時期だと言ってよいでしょう。

 無論、お子さんによってはなかなか自分から机に向かおうとしないかもしれません。その場合は、とっかかりを一緒にやり、徐々に自分で読んで考えるように水を向けてあげてください。基本的には、4年生ぐらいまでは「一緒にやる」といったスタイルで構いません。ただし、「いずれは一人でやれるようにするのだ」という意識のもと、徐々に手を放そうという意識をもつことが大切です。そうでないと、ほんとうの自律的な学習習慣は身につきません。

 低学年の今のうちに勉強を習慣づけてやりましょう。親子一緒の勉強の時間が楽しければ、段々勉強を嫌がらなくなります。そうしてお子さんは、やがて高い学習意欲に支えられた自律的な学びの姿勢の持ち主に成長していくことでしょう。

H,S

 




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